1. 世界に認められたカエデ
日本原産植物で今最も欧米で人気の高い樹木は、カエデでしょう。カエデは日本だけでなく北半球に広く分布していますが、とくに日本には多くの品種があります。庭の演出にも頻繁に登場するカエデを見直してみましょう。
カエデがヨーロッパに紹介されたのは1775年のツンベリー博士といわれています。またその後にシーボルト博士による「フローラ ジャポニ力」で本格的に紹介されたことが日本のカエデが世界に普及していくスタートになりました。約240年余りを過ぎた今ブームとなっていることは、大変うれしいことですね。
英国のガーデンセンターでは、「ジャパニーズ メイプル(日本のカエデ)」として紹介されているので、日本の美しさの象徴として認められているといって過言ではないでしょう。
日本のカエデは、江戸時代にはすでに非常に多くの園芸品種を生んでいます。いろいろな品種をコレクションするのも楽しいですが、葉の色彩、形、樹形をうまくガーデンの中で演出するのもモダンなデザインに感じられます。
ヨーロッパではかなり昔からベニバのシダレモミジはガーデンやコンテナで親しまれてきました。私たち日本人がみるととても和風にみえる木が意外にヨーロッパの景観に調和しているのが不思議に感じられます。日本の風土にあったカエデをもっとガーデンに活かしていきましょう。
また、欧米原産のカエデ類もいっしょに導入するのもよいでしょう。イロハカエデの仲間よりは、比較的日当たりの強い場所で美しくシンボルになってくれます。
日本のカエデの品種は欧米でも人気の樹木
(英国 ブリジニアガーデンワールド)