1. コンテナ演出のすすめ
最近、器(コンテナ)を使った植栽演出が増えています。コンテナの素材もさまざまで、テラコッタ(素焼き鉢)をはじめ、木製、金属製、プラスティック製、そしてFRP、FRCなどのより耐久性に優れたものもあります。設置される場所の環境や目的、状況によって選択していくとよいでしょう。
また、デザイン的にも素敵なコンテナが多くみられるようになりました。植物とともに、コンテナとのコーディネートもデザイナーの大きな役割です。
コンテナを組み合わせて演出された空間を「コンテナガーデン」とよびます。コンテナガーデンの魅力は、何といっても組み合わせのコーディネートといえます。移動が可能なので季節によって大きくその空間のイメージを変化させることができます。スタンドや台を活用することでより立体的に演出することも簡単です。ベンチと併用したり、オブジェと組み合わせたり、工夫やデザインは無限に考えられます。
大型のコンテナを使用する場合には、注意点として転倒の防止とオーバーフロー排水の水処理を設計の段階で考えておきましょう。樹木を植栽する場合、コンテナの重量が軽くなればどうしても倒れやすくなります。
植えつけたばかりのコンテナ植栽ですと、コンテナは倒れなくても、樹木だけが倒れてしまう場合があるので、鉢の内側で転倒しないようにする工夫が必要です。
特に公共的な場所においては、安全性に気をつけましょう。次にコンテナ植栽をアクセントとして活用すると、単体で使用するだけでなく連続的に列配置して統一美を空間に生み出します。植栽マスを施工しなくても、緑化が可能です。経済的にも有効といえます。パーテーションなどと組み合わせてもよいでしょう。
また常に移動が必要な場合は、キャスターをつけると容易になります。このようにちょっとした工夫で、活用の範囲が広がるのもコンテナガーデンの魅力といえます。
あと欧米では、コンテナをカバーするといった演出も多くみられます。生産用のPOTにカバーをして景観的に美しくします。イベント的な場所では、とても有効な手法といえます。
テラコッタ色のFRCコンテナとオリーブの植栽
(兵庫県 芦屋市 雑貨店)