1. ローメンテナンスのお勧め常緑樹(低木類)
低木の魅力はやはりその活用用途の広さにあるでしょう。日本の花文化は花木と宿根草と西洋と比較されるように、もともと日本には私たちの生活、空間に有効な種類が非常に多くあります。
最近ガーデニングの講習会において受講生の方々に意識的にこのような質問をしています。
「皆さんのご家庭にアオキ(Aucuba japonica)、ヤツデ(Fatsia japonica)、ナンテン(Nandinadomestica)を持っておられる方?」地域によってかなり格差がありますが、都市部周辺においては圧倒的に手の上がる数が減っています。
英国のロンドン市内を散歩すると、日本の都市部よりもアオキやヤツデをよく見かけます。ガーデンセンターの低木売場を覗いてみると一目瞭然です。
べつにこのことを嘆いているのではなく、英国の専門ガーデンセンターにおいては低木の売場でもその用途や特性によってカテゴリー別に販売がなされています。常緑低木類は、いわゆる定番商品としてわかりやすいサインで売場が確保されています。
つまり大変重要な商品グループなのです。
常緑低木類の最も多い活用を考えると、生垣や境栽ボーダーでの演出です。刈り込みに強く、丈夫でローメンテナンスの植物が選択されます。
最近では、植物生産サイドでもコンテナ栽培(ポット)が普及してきています。季節を問わず、また多岐にわたる環境下でも安定した定植がしやすくなっていることもありがたいことといえます。
寒冷地の積雪エリアでは常緑樹にこだわる必要はありません。逆に、冬以外の葉色の美しい変化を楽しむ上では圧倒的に落葉樹の方が観賞価値が高いといえます。
ボーダーが季節ごとに色彩の変化をするというのは、素敵ですね。クライアントにしっかりこのことを説明しておく必要があります。落ち葉を掃除するのがしんどいといった一時的な理由だけで、それ以外の期間の方が長いのでとても残念に思います。
(英国 オックスフォード郊外住宅)
ベニバナトキワマンサクのボーダー植栽
(兵庫県宝塚市 道路緑化)