植栽の目的と有効性(参考)
ボーダーの意味は前述のとおり「境」や「際」となりますが、植栽をするときには当然目的をもってデザイン化する必要があります。
以前にも述べたガーデンの構成要素 1.文化的要素 2.景観的要素 3.合目的要素 4.環境的要素 5.メンテナンス的要素 6.社会的要素 7.機能的要素のなかでとくに 2.景観的要素と 7.機能的要素 5.メンテナンス的要素の3つが重要となります。
いずれにせよ植物の種類をグループ化し、適材適所に活用できるように心がけましょう。
上記のボーダー、パーテーションなどに使用される植物は、物語でいえば脇役となります。主役の植栽を引き立たせたり、空間の中でどちらかというと目立たない存在であることが要求されます。
上のサルビアの円形花壇の植栽をみると、メインのブルーサルビアのほかにエッジング素材としてシロタエギクと銅葉のリシマキアが脇役として使われています。
もしシロタエギクとリシマキアがなかったら? と想像してみると、周囲の芝生の緑色にブルーサルビアの色彩が同化してしまい、イメージ的に暗い花壇になってしまいます。
ポイントは、リシマキアの使い方です。サルビアとシロタエギクの間にボリューム的には少ないですが暗紫色の色彩を挟み込んでいることです。このリシマキアの植栽によって、メリハリがはっきりと表れることになります。服装でいえば、ブラウスとスカートを合わせた間にベルトをしたような感じですね。
欧米の植栽では随所にこのような色彩の組み合わせパターンが見られます。いくつかのパターンを普段からケーススタディとして蓄積しておくと応用もさらに広がります。
脇役を制する者は全てを制すると大げさにいっても過言ではないでしょう。
典型的なイングリッシュガーデンのボーダー植栽
(英国 ハンプトンコート宮)